Q : 明治5年に創業したうなぎ料理の老舗「かねよ」様では、高澤品質管理研究所のサポートを受け、平成29年10月にSGS-HACCP認証を取得しました。まずはそのきっかけについてお聞かせください。
村田 : 当店は140年以上の歴史を持つ老舗ですが、長年積み上げてきた信頼も、一度食中毒を出せば失われてしまいます。ですから時代に合わせたやり方に変えて、衛生管理レベルを向上したいと思っていました。同時に認証取得を目指すことで、従業員の意識改革ができればと考えていたんです。ただ、当初はHACCPなんて、ものすごくハードルが高くて、無理だろうと思っていました。
そんなときに参加したのが「滋賀県食品高度衛生管理認証」の講習会でした。この講習会で講師を務めていたのが高澤品質管理研究所の高澤所長で、ワークショップでは担当さんにアドバイスしていただきました。高澤所長の話は分かりやすかったですし、ワークショップを通じて担当さんとの距離もぐっと近くなりました。それで懇親会のときに相談して、サポートをお願いしたんです。
髙澤村田常務からは老舗といえども、この先歴史を紡いでいくには従業員の意識や組織のあり方を見直したいという思いがひしひしと伝わってきました。そこで、HACCPを内部統制に役立ててはいかがでしょうかとご提案しました。
Q : 認証を取得してみていかがでしたか。
村田 : 従業員の意識が高まり、衛生管理レベルの向上につながったのはもちろんですが、さまざまな情報の共有化が進んだ点も良かったと思います。例えば、湯飲みを落として割ってしまったという情報が共有されれば、再発防止策をみんなで考えてリスクを減らすことができます。また、当社では2店舗を運営しているのですが、一連の取り組みを通じて、各店舗でやっていた共通の仕事を一本化するなど、効率化も進みました。空いた時間を使って、さらにおいしいものを作るにはどうしたらいいか考えていきたいですし、残業削減や有給休暇の取得推進にもつなげたいと思っています。HACCPによってうなぎを焼く職人の要件も明確になりましたから、若手の育成、評価にも役立つと思います。認証を取得して本当に良かったと思いますし、「すごいな」と感心してくれるお客様もいらっしゃいます。
髙澤 : 村田常務は十分に理解なさっていますが、認証取得はゴールではなく、継続が重要です。これからもHACCPの解説者としてサポートさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
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